イスタンブール

澁澤龍彦さんの妹さん、澁澤幸子さんが書いた
イスタンブール、時はゆるやかに」を読む。トルコは前から
興味があって、漫画家の高橋由佳里の「トルコでわたしも
考えた」がお気に入り。

ところで澁澤さんの本を読み進むうち、彼女が偶然に知りあう
じゅうたん屋さんのトルコ人一家の話が、高橋さんの話と
すごいかぶってるなぁ、と思い始めた。親切なじゅうたん屋
さんがたくさんいるんだな、と思って読んでいたけど、
彼らの商売が軌道に乗り、ホテルも始めたあたりで、これは
同じ人のコトなのでは?と気づく。

あとがきで、弟のハッサンに日本人のお嫁さんがきた、と
あって、これはきっと高橋さんのことに違いない、と思った。
さっそく「トルコでわたしも〜」を本棚から引っ張り出す。
兄弟の名前や、じゅうたん屋さんやホテルのいきさつが
共通してる。でもお嫁さんの名前や職業が違うから、別人
なのか。

澁澤さんがイスタンブールで彼らと出会ったことがきっかけで、
彼らは日本語を勉強し、お店は次第に日本人観光客や世界中の
バックパッカーのたまり場のようになっていき、一家は成功
してゆく。
「トルコでわたしも〜」に寄れば、高橋さんは日本のトルコ
料理店で兄弟のホテルを、偶然紹介されるのだ。

たまたま手にとった2冊の本で、ふたりの人生の交差を想像
して、運命の力とか縁の不思議さをさっきからずっと考えてる。