届かなかった返事

広島に住む叔母が、群馬に帰郷。その帰りに東京で
わたしたち夫婦を夕食に誘ってくれた。

叔母夫婦と、いとこ夫婦も一緒で計6人。
叔父に会うのは25年ぶりかな。すぐわかったわ。
開口一番、彼は言った。
「(わたしに)謝らなきゃいけないことがある」
中学に入る前の春休みに、祖父母といとこで、広島に
行った。
そのとき当然原爆資料館に行って衝撃を受けたわたしは、
旅行から帰ったあと叔父に、その感想などを書いて手紙を
書いたらしい。
というのも、原爆資料館に行ったことはもちろん忘れない
けど、手紙のことはすっかり忘れてしまっていた。
「僕はそのころいろいろ矛盾を感じていて、素直に返事を
書けなかったんだよ」
30年以上も経ったけれど、憶えていて気にかけてくれる
なんて、いいな、と思った。
さぞかし青臭い手紙だったろうと思うと、赤面だ。

12時まで盛大に飲み、楽しかった。