「リオノーラの肖像」

このところ活字と言えば、新聞と「週間文春」だけだった。
2月に入院した夫の退屈しのぎのために買った文庫のうちの
1冊を、なんとなく手にとってみた。

SFとか、悪党パーカーやスペンサーシリーズなどが
夫の好みだけれど、表紙のイラストとか、オビの言葉に
惹かれ、自分用に買ったのが、ロバート・ゴダード
「リオノーラの肖像」だった。

最初の70〜80ページまでの陰うつな部分を
どうにか乗り越え、意外な展開が予想されてきた
中盤からは、もう気になって気になって、
朝早く起きて30分読み、会社でお昼休みに読み、
先が気になって仕事も身に入らず、帰ってごはんを
といだあと、ど〜っと読んだ。
11時ごろ、満ち足りた気持ちで読み終わり、
少し泣いた。

久しぶりに、物語の世界を堪能した。
自分好みの作品に出会うのは、そうあることではない。
さらに、読み時というハードルもあって出会うのだから、
至福といっても、さほど大げさでもないと思う。