実家でお正月

元旦は夜遅くまでお客さまだったので、ゆっくり起きだして
昼過ぎ、ふたりでわたしの実家に行く。途中で妹一家にクルマで
拾ってもらう。3人の甥たちがファービーというおもちゃで
大騒ぎ。
「タカイタカイ、シテ」というので、それらしきことをしてやると
「ヤダヤダ、オロシテオロシテ」とわめくし、降ろすと「ネム
ネムイ」「オナカスイタ」などと言う。手に負えず。
でも初めて見たので、おもしろい。

夜、父が珍しく、自分のことを語った。
戦後すぐ学校を卒業して、最初は実家で農業をしていた。
そのうち農協で働くよう、ある人に誘われる。数年後、町役場に
スカウトされる。辞めるなら他の人間を連れてこいと上司に
言われて、親友を紹介したとか。
市役所を定年で辞めて、少しぶらぶらしていたら、ある施設の
施設長にと声がかかった。
いつも、人から誘われて、それで道を決めてたんだ、とどこか
自嘲ぎみ。
夢なんかなかった、とも言った。情報がなかったから、世の中に
どんな仕事があるのかも知らなかったって。
知っていたら、もっとほかのことをしたかったのかもしれない。