どでか過ぎる目標

デッサン教室。
きょうは、バレエ衣装を付けたモデルが来て、クロッキー
などを描く予定。
すごく楽しみにしていた。

なぜかいつもに比べて欠席者が多い。
壁面に向かい、イスが15、6脚、半円を描いて置かれて
いる。その中心には、少し高い台。
わたしは、中心に向かって右端の席に座る。なんといって
も端が好きなもので。

定刻、毛皮?のベージュのショートコートをはおり、下は
バレエコスチュームの美しいモデルさんが登場。参加者が
「きれい!」とか「よろしく」とか声をかける中、彼女は
「皆さんが服を着ているのに、恥ずかしいです」と言って
いた。コートを脱ぐと、紫のレオタードに、腰には白い
オーガンジーのスカート。白いタイツにトウシューズ。髪は
軽くポニーテールにしてる。華奢でちょっと憂いがあって、
すてきなお嬢さんだ。

先生が、ロートレッククロッキー集をわたしたち新人5人
に見せ、軽く説明。
いつもご夫婦で参加の奥さんのほうが「こんなの描けない
わ〜」と言うと、先生「描けませんよ、もちろん」だって。

1分、3分、5分、10分かけて、それぞれのポーズを描い
ていく。
モデルさんが、自分でタイマーをかけて、「1分、いきます」
というと、台の上でさっとバレエポーズをとる。
1分なんてあっという間。輪郭しかとれない。
10分ので、なんとかカタチが付くけど、手の表情とかまで
は無理。
手をあきらめ、目を描いたりして。

4枚描いたところで、先生がひとりひとりのクロッキーを講評。
わたしのは意外にも、
「ふ〜ん、人間になってるね。かなりお人形遊びをしました
ね?」
と言うの。わお、その通り。小学生の高学年の頃、長い休み
のときは、着せ替え人形を必ず描いていたの。服や小物も山
ほど描いて。妹の分もつくって、名前をつけ、ミシンの上や
机の上を家のつもりにして、物語を作って、なりきっていた
っけ。

目をかいたモノには「う〜ん、目は難しいからね。アニメに
なりがちなんだよね」って。やっぱりね。着せ替え人形の
延長で少女まんがも大好きでよくかいていたんで、やっぱり、
そんな感じになっちゃう。

隣りの席の女性には「あ、あなたは、野山を駆けめぐって
いたね。子どもの頃何してたかわかるんだよね。男の兄弟
がいたでしょ?」彼女は建築関係の仕事をしているようで、
硬質の線がいい感じ。わたしには描けない線だと思った。

最後は同じポーズを、20分ずつ3回。これはじっくり取り
組む。
言うまでもないけれどわたしはバレエが大好きなので、モデル
さんのポーズはとても楽しかった。
彼女はたぶん、実際にバレエをしているのだろう。トウ
シューズで立って、姿勢良く歩いていたから。

こういう仕事もあるんだね。知らない世界だった。

きょう先生の言葉でおもしろかったのは、「わたしは、それぞれ
の人に向いたスタイルを考えるからね。たとえば人物がうまく
描けなくても、風景で花が開く人もいるんですよ。鉛筆デッサン
がだめでも、パステルがいいとかね」
「この教室に来たということは、少なくとも美に目が開かれて
いる、っていうことなんですよ。わたしは、皆さんにアーティス
トになってほしいし、どうせならミケランジェロやダ・ヴインチ
を目指してほしい。美術家には、ゼロか百しかないんです。
求めるか、求めないか、なんです」

ミケランジェロやダ・ヴインチかぃぃぃぃぃっっ!

来週は先輩の方々の展示会が銀座の画廊で開かれる。
楽しみ!

夜、TBS「世界遺産」で、ミケランジェロをみた。バチカン
システィーナ礼拝堂だ。ここは、本当にすばらしいんだっ!
6年くらい前に行ってみたけど、圧倒された。
また行きたくなった。