怒りがわたしをアツくする

昼に、T崎さんに、課長へのメールに返事が来たか聞かれた。
「締めが終わったら、じっくり話をしましょう、って書いて
あったよ」と言うと、
「わたしの話もしてよ」と言う。

前日、T崎さんのミスが発覚。
ぶりっこ係長がお客さんにお詫びの電話をしたんだけど、言い
方が高圧的だったらしく、かなりご立腹になったらしい。
きょうの朝、係長がミーティングで不在の間に、怒りが醒めな
かったそのお客さんから電話がきた。T崎さんが出て、
しばらくお話を伺っている間に怒りも収まったらしいが、収ま
らなかったのはT崎さんだ。
こんなことなら、最初から自分で電話すればよかった、ってわけだ。

その話を、課長にわたしからしてくれと言うのだ。あきれた。
自分のことは自分でやるものだ。こういう人任せな言葉を聞く
と、何よりも、ここにいることがいやになる。
「あたしは自分が考えてることを話すだけだよ」と言ってやった。

10時までの残業の日々もきょうでおしまい。
通常は最終日は、さほど遅くはならないのに、今回はダメだった。

夕方から、カトウさんが不機嫌で、押し黙ったまま画面を凝視
していてなんだか鬼気せまるものがある。
9時頃になって、「修正のことがわからないから、みんなの
話もわからないの。修正担当になろうかな?」
などと珍しく前向きなことを言いだす。

ついで9時半ごろ、今度は「帰っていいかな?」と言うので、
別にわたしが決めるんじゃないし、はっきり言えば大して役
になんか立たないんだからさくさく帰ればいいのに、と思った
けどまぁそんなことは言わずに「かまわないと思うよ」くらい
に言ってみる。
でも帰る気配がない。
わたしは、みんなが帰れる準備に入ってほしいと思ったので
「レジ閉めましょう」と提案してみる。

ついに10時を過ぎた。
すると伝票整理もほぼ終わりかけのわたしのところに、また
カトウさんがやってきた。
「実はね、子どもが10時半に帰ってくるって言うから
それまでに魚のフライをつくっとこうと思ったのよ。
でも、もう間に合わないから、いいの」
・・・脱力。
あたしはさ、いかにしたら、早く終われるかばっかり考えてい
たのにさ、このヒトは、魚のフライ・・・
「だってわたし、別に仕事なんて、どうでもいいんだもん」
・・・
さっき、なんか、前向きっぽいこと言ってなかったかい、え?

このヒトは、家にいたほうがいい。