あと一日

数人が出勤して、通常通りの業務。電話が係で1台なので
鳴りっぱなしだし、ほかの係と一緒に狭いところにいるので
笑っちゃうくらい集中できず、何度も計算間違えて、トホホ
だった。
午後には、フロアの荷物の運び出しが始まった。
始まれば、早い早い。あっという間に、ガランとし、廃棄物
だけの残る廃墟になった。

そして電話も静まった夕方には、出勤していた人たちの残務も
ほぼ終わったらしく、まったりした空気が流れる。早めの時間
で終わる人々が、年末の挨拶を終わるのとほぼ同時に、運送屋
さんの若いお兄さんたちが現れ、そこに積まれていた私物や
備品などの箱を、ぐいぐい運び出していった。

わたしが帰るころには、それらもほぼ出尽くしていた。
外にはまだ、トラックに積む荷物の台車が連なっていたけれど、
ちょうど一台、トラックが目白通りを右折するところだった。

奇妙な活気がおもしろく、しばらく眺めていた。

あさってもわたしはここで残務をすることになっているけれど、
もう、ここには出勤しない人も多い。昨日の夜、プチ忘年会に
やってきたF田さんが、あの建物がなくなると思うと感無量、と
言っていた。わたしにそこまでの愛着はないけれど、それでも、
貴重な現場に立ち会っている気はした。

45年前の建物だというから、古いよね〜なんて言っていたけど
よく考えれば、わたしと同い年だよ。

夕方、トイレから新宿の写真を撮った。