葵の長屋

M砂ちゃんが、あさってピースボートに乗る。
12月15日まで帰ってこない。3ヶ月会わないなんて
ざらなのに、改めてそういうことになると、寂しいなぁ。
あさって、会社半休にして、横浜港まで見送りに行こうかと
思っている。
まったく知らなかったけれど、船ではメールができないそうな。

おととい、家で壮行会をしたとき、ダン・ブラウンの「天使と
悪魔」「ダ・ヴィンチ・コード」と、DVD「下妻物語」と我が家の
秘蔵『僕たちの19××』を貸した。
ひとりで読書をしたいときもあるだろうし、お茶や着付けの会
を企画しているらしいけど、そこに、ビデオ鑑賞の会も加えたら
いいのにと思って。

この夏が終わってしまう。まったく早い、早すぎる。日もめっきり
短くなってもいる。
もの悲しい。
きょうはまた少し気温が上がって、名残の蝉が盛大に鳴いて
いた。夜になれば、はや秋の虫が鳴いている。

めざましテレビ」の「体操コーナー」が好き。体操する普通の人が、
よく振りを憶えているときは愉快。それどころか感動的ですらある。
振りが覚束ないと、おもしろくなかった。

わたしが子どもの頃は、毎朝かかさずラジオ体操をしに、小学校
の校庭に集まった。
よく憶えているのは、家と学校の間の知り合いの長屋の前に
あった鉢植えの葵の花。残念なのは、「葵の花」だったことは確実
なのに、どんな花だったかよくわからない。

植物にも流行り廃りがあるとは思うけれど、このごろ全く見ない気が
する。
たぶんタチアオイがよく似ているのだろう、名前からして。
決定的に違うのは、大きさと花の色。
葵の花は、なにかとても濃い赤ではなかったかな。それに鉢植え
だけに茎も短く、葉もぼってりしていたけれど、タチアオイ
は、きれいなブルーに溌剌とした姿だもの。

ラジオ体操を終わって、葵の長屋をすぎ、昇った太陽に向かって
家に戻るとき、自分の前に伸びる影が、とても長かったことも、よく
思い出す。