ロールキャベツもどき

毎月17日から24日くらいまでの一週間ほどは、すこぶる気が重い。
四角四面な若いムスメがひとりいて、増長するから。
もう充分嫌な思いをしたので、来月からは担当を変えてもらえることになって
ホッとしている。
隣りの席のチェリーさんはまた別のムスメに怒っていたらしい。
チェリーさんは、抜群に処理が早いので、他の人が何をしているのかが
気になるようで、「何をしてるのかわからない」という言葉が、よく出てくる。
わたしの仕事っぷりもさぞかし遅いと思っているだろうと思うと
落ち着かなくなるけれど、席が隣りになったことでこまめに会話をするように
なって、新鮮だ。
その隣りはハシゴノタカさん。この三人で時々「秘密会議」(命名チェリー)をしている。
ハシゴノタカは、下の名前がわたしと同じ。字まで一緒。彼女によればこの名前は
強運なんだそうだ。
この人にはまだ小さい子どもがふたりいて、いつも大汗をかきながら出勤してくる。
きちんとした人だし、家事なども完璧なのかと思っていたら、案外そうでも
ないらしい。
家事も料理も大嫌い、と言うので意外だった。
特に料理は苦手でときどきすごく変なモノを作ってしまう、と言うので思わず笑った。
そこはわたしも同じ。夕べは、ロールキャベツもどきを作ってみたけど、
キャベツがどうみても小さすぎる端切ればっかりになってしまったのに、
もう軌道修正する気にならず、無理矢理くるんで煮込んだのだ。
あやうくバラバラになりそうだったのを無理矢理まんなかで切って盛りつけてみた。
正直ちょっと変だった。
ちなみにどうして「もどき」かというと、生のハンバーグ種を使うから。
この次は、種を少しゆるめて、香辛料を混ぜ込んでからくるむといいいかもしれない。

それにしても、メンバーがこうもギクシャクしているのだから、場の空気は
かなり悪い。昨日は残業のさなか、数ヶ月前に異動してきた社員の人が
けっこうトホホな事件を起こし、空気は悪いだけでなく冷えきっていた。
もし自分だったら泣くかもくらいの出来事だった。大ベテランの社員だから
ムリもないけど、何につけても聞く耳持たないのが痛い。
先月の面談での係長の予告どおり、係の中の社員の担当替えがある。
わたしの前にいていつも難問を解決してくれていたピンキーさんが
とうとう去ってしまう。昨日は「これが最後よ」と軽く釘を刺されてしまった。
そうなると、例の人が仕切っていくことになるのだろうけど、大丈夫なんだろうか。
猛烈に不安だ。