二科展、「青の刻」

2日、二科展へ。
大学の担当のN先生がギャラリートークをされるというので、アツコさんと待ち合わせて
出かけた。東京や横浜に住んでいる仲間たちも大勢きていた。
とても刺激的な作品ばかりで、わたしたちは、夕方まで見て回った。
マチエールに凝ったもの、試行錯誤の後がわかるものなど、当たり前だけれど、わたしなどは
まだまだ道は遠いなと思った。先生は、今の年齢でどれだけ意欲的に吸収するかが
大切なんだよ、と言われた。
5日からは実家へ。
100号はやはりとても大きくて、東京のマンションではとても無理なので、実家をアトリエに
しようと決めている。
誰も来ないし、まぁ、理想的な環境。FM群馬がお友だち。
幸い天気もよくて、庭もいい感じだ。暑さが戻って、ここでも
セミがまだまだ頑張っていた。
けれども夕方からはぐっと気温が下がり、今度は秋の虫たちがリンリンと鳴き始める。

明け方に目が覚めると、ふと、もう、虫の声が、ほとんどしないのに気づいた。
昼の虫と夜の虫が入れ替わるんだなと思った。
すると今日、帰りの電車の中で読んでいた本の中に、そのことが書いてあった。
『昆虫記』のファーブルが、その一時の沈黙の時間を、「青の刻」heure bleueという言葉に
した、という記述だ。(「青の美術史」平凡社ライブラリー 小林康夫著)
青が好きで、今回の制作でも青を美しく描きたいと思っていたので、タイトルに惹かれて
購入した。とても示唆に富んでいて折りに触れてページを繰っている。
そんな中でのシンクロニシティ、こんなことが嬉しかったりする。