墓穴

新入社員の女の子(セクハラじゃないよ)が
私たちの係に研修でひとり来ている。妙に落ち着いてると
思ったら、大学院卒だった。すごいっす。
お昼一緒に行って、1974年生まれと言われ、周囲はしばし沈黙。

しかしさぁ、誰にでも何年生まれって平気で聞くの、
やめてくんないかなあ、H川さん。
わたしはH川さんが2月に入ってきた日にお昼一緒に行って、
いきなりそれを聞かれ、ふいを突かれたので
即座に答えてしまい、
「なぁんだ、わたしより若いんじゃなーい」とか言われ、
なんか、チッて感じだった。
いいんだけどね、別に。
そのおかげか、この頃はすっかり飲み友だちだし。
きょう彼女は、顔つきも変わるくらい集中して
端末に向かっていた。理屈っぽいのでどんどん
上達する。
自分なりの理屈でどーにか理解したわたしは、考えずに
腕が勝手にやっている。H川さんに説明を求められたひにゃ、
しどろもどろで墓穴を掘るばかり。
わたしと数字との関係は、多分に曖昧ではある。