どうしてわたしは

水曜日はお休みの人が多い。きょうも、ひっそり
していた。
係長もお休みなので、ほんと静かだったな。
電話も少なく、修正をバシバシやっつけた。
向かいの席のT崎さんもいないので、おバカ話で
和むこともない。
入力しながら、「どうしてわたしはここにいるのか」
という永遠の命題について考察。
言うまでもなく、答えは出ない。

長崎の義父が、農協の会議のため、上京。
仕事のあと、夫と待ち合わせて、虎ノ門まで会いに
行く。
宴会のあとで、彼はすこぶるご機嫌だ。
わたしの父のことも心配して下さる。同じ年
なのに、義父のなんと頑健なことか。心の中で、
すっかり弱ってしまった実父を思う。

あちらのことばで「かまぼこ」、わたしにとっては
「薩摩あげ」をお土産にいただく。
これ、大好き。
小一時間おしゃべりしたあと、彼はおもむろに
「眠くなったな」と言った。
そして、これでうまい物でも食べなさい、と言って
お小遣いを下さる。お言葉に甘え、夫とふたり、
虎ノ門の中華屋さんで豪食後、帰宅。

朝やお昼に通るたび、ガードレール脇の、例の
自転車が、急に気になった。振り返りつつ、その
自転車の防犯登録を見たら・・・、牛込警察だった。
この辺だったら、練馬が普通だろう。

わたしの元の自転車は、新宿区内のお店で買ったのだ。
それでもまだそのときは、まさか、と思った。だって
あの自転車は、ドナドナのように、トラックに
乗せられ、どこか遠いところに行ってしまったと、
思いこんでいたのだから。