冷たいオンナなんかじゃないぞ

14日、マキノちゃん最後の日。ほぼ半年、一緒に仕事を
共にしたパートナーというだけ。プライベートな
話をしたことはほとんどない。辞めるわけじゃないし、
どうということもない別れと思っていたのだけど、帰り際
挨拶の言葉を彼女に掛けると、あわてて振り返った彼女の顔
には、寂しさと親密さのようなものがあって、胸を打たれた。
涙があふれそうになったので、あわてて
「またいつか会おうね!じゃねっ」
と元気に言って、別れた。初めて、彼女に触れた気がして
うれしかった。

15日、「日曜デッサン」。今回も、前回と同じハンガリー
出身の美しいモデルさん。
前回の作品が不満な出来だったので、新しく描こうと思って
新しいページを開いて準備していたら、先生から前回の続きを
描くよう言われる。
「対象しか見ていない、バックも描き込むように」って。
そのうち、見学ということで、友人のもーちゃんが教室に入っ
てきた。先生は気をよくしたらしく、もーちゃん相手に舌は
滑らかだ。
「失敗しても、そこから再構築していく過程が大切なんだよね」
「きのうも16時間も家で描いちゃって、腰が痛くってね」
などなど上機嫌。
絵のほうは、しぶとくバックを描いていたら、なんとかカタチ
になったようだ。やっぱり、あきらめないことなんだ。
「同じ調子にならないこと」「思い切って陰影を出す」
など先生のアドバイス

16日、お昼をひさびさY口さんといただく約束をする。
お昼近くになって、O係長がわたしに超接近してきて、
「お昼行く?」とささやいた(妙なことするよ)。
「きょうは先約があるの、ごめんね」
と言うと、すねた子どものように、ぷいっと向こうに行って
しまった。午後遅くなってコピー機の前にいたら、彼女だ。
「せっかく誘ったのに、冷たい女。もう二度と誘わない」
だって。
般若みたいな顔だった。こんな言葉も、会社で聞くとは・・・
しかも、わたしのどこに落ち度が?ワケがわからん。

帰りの地下鉄の中からT村さんにメールで訴えたら、
「慰めてほしかったんだよ、思い通りにいかないと腹を立て
る、挫折を知らないからだと思うよ」って返事。なるほど。
思い通りにならないことは、世の中てんこ盛りなのに。
親しい仲でも言ってはいけない言葉ってあるし、そういうレッ
スンはさんざんしてきていないかな、フツウの40代は。
彼女に対して、かなり醒めたのは、確かだ。
彼女の部下の皆さんも、大変だ。