夏がやってきた〜!

U野さんは、どうやら生活に余裕があるらしい。ご主人と、
しばしば旅行に行っている。
銚子への旅行が、今夏精いっぱいのお楽しみのT崎さんは
「10年後も、今と少しも変わらないと思うと、うんざり」
と言って、ため息をつく。10年後も今と同じように、ローンに追わ
れ、海外旅行なんかできず、きゅうきゅうと生活しているだろう
と言うのだ。

わたしは、そんな想像は、あんまりしたくない。

若いO森さんは、わたしが弱気なことを言うと
「大丈夫ですよ、たいていのことはなんとかなりますって!」
と言ってくれる。それでわたしは少しの間でも、うれしくなる。

その話をT崎さんにしてみたら、
「それは彼女が若いからだよ」
と言う。

確かに、それは言える。わたしも20代のころ、お先真っ暗の
状況でも、理由もなく楽観的ではあった。実際、なんとか
なって今に至っているのだし。

わたしは、10年後は、今よりはいい感じになっていたい。
というか、そのことを疑ったことは、一度もない。

古今東西、いろんな諺も、そう言ってるもの。「塞翁が馬」とか
「人生あざなえる縄の如し」とかさ。

人と自分を比較していろんな気持ちになることは、ないと言っ
たら嘘。
そんな時、頭をよぎることがある。それは、中学生のときに読ん
だ漫画版「アンネの日記」。アムステルダムの隠れ家から、下の
道路をこっそりのぞくアンネ親子。ナチスに連行されていくユダヤ
人たちを見ながら母親が言う。
「あの人たちに比べれば、わたしたちは幸せだわ」
でもアンネは、比較すること自体が、無意味だと考えるのだ。

30日、帰宅途中で、懐かしい人に会った。サナエ先輩と、
かつてのイタリア語の先生リアナおばさん。
3年ぶり?駅近くの道ばたにもかかわらず、ハグハグ。わたし
大照れ。
「太っちゃって〜」
「おんなじよ、しょーがないのよ、女はさ〜」
な会話は、万国共通。言語を超えて理解。

きのうのドラマ「すいか」で、一番記憶に残ったセリフは
「絆さん、普通の人になっちゃうんすか?」だった。

きょうの日曜デッサンは、浴衣モデル。きょうの人は30代かな。
美しいだけでなく、今までで一番、プロ意識を感じた。ただ座
っているだけでなく、そこに、彼女自身の存在を感じた。自分を
美しく見せる術も知っている。
生意気だけど、応えたいと思ったわ。
もしかしたら、モデルさんを描くのも回を重ねて、わたしの
気持ちも変わってきているのかも。

早くも、10か月鉛筆デッサンをやっているので、先生に、色を
つけたいと直訴してみたら、かる〜く
「いんじゃない」
と言うので、帰りに水彩色鉛筆を買った。次回が楽しみ。