猫かぶって飲む酒の話

涼しいより、薄ら寒いような一日だった。
おもしろくないことがあり、いやな気持ちだったけれど
そんな気持ちに浸って、妄想ばかりが増殖するに任せる
のはさすがに虚しいことに思え、文庫を読んだ。

このごろ凝ってる金子光晴の晩年の随筆「人よ、寛かなれ」、
宮部みゆきステップファザー・ステップ」、永沢まこと「旅で
スケッチしませんか」。斜め読みだけど。

しかし、四捨五入すれば50の方が近い女が、掃除もせず、
しきっぱなしの布団でごろごろしてるとは・・・
だらしがないとウツになりやすい、とどこかで聞いたような
気がする。

言い訳がましいけど、なぜか会社では、誰かのディスプ
レイの表面が指紋でいっぱいだったり、埃だらけだったり
すると「ちっ」と舌打ちするし、床にゼムクリップが転がって
たりすると、拾って歩くんである。
つくづくどうかと思う。

きのうは、その会社の人たちと飲みに行った。気心の知れ
た友だちと行くのとは違う。

「酔うとおもしろいね」なんて言われると、返事に困る。
いつもはつまらない人間だって意味でしょう、それって。
「食べてないよ」だの「飲んでる?」「なんでにこにこしてる
の?」だの、うるさいんじゃ〜。

猫をかぶって飲む酒は、つまらないどころか、拷問みたい。
ところが、こんな宴会の言い出しっぺは、わたしだったり
するのだ。
なんでこうなる?