夏祭浪速鑑

今テレビで、岡江さんと三宅さんが夫婦で、しかも娘夫婦
に離婚を切り出されているという場面に遭遇した。ふたりとも
わたしと同世代。は〜っと思ったそのとき、昼間聞いたうわさを
思い出した。

3月に異動してきたKさん。挨拶で「若く見えるかもしれませんが
ババアです」とかましてくれた。ここには、実際そのような年齢
の人がごっちゃりといるのだから、笑いをとれなかったのは
言うまでもない。

ご他聞にもれず、プライドだけは一人前なので、しょっちゅう
係長にくってかかっている。

つい最近も与えられた仕事をこなせない理由として、
「わたしは新卒の子どもがいてもおかしくないババアなんで、
能力がないんです。求められてもこまります」と妙なタンカを
きったそうだ。そんなことで動じる係長でもなく、(元レディース
だし)大変な舌戦に発展。周りが心配するような騒ぎだったとか。

彼女はわたしよりかなり若いらしいのだから、なにか年齢に
こだわっているのを聞くと、苦々しい気持ちにおそわれる。

自分のことをふりかえって見れば、今思えばごくごくつまらない
理由で、社員でいることからあっさりリタイアしてしまい、あげくに
社員として就職することなどできず、パートに甘んじている。

それでも自分にできることにはチャレンジしているつもりだ。
先月もKさんは自分の担当の仕事を期日以内にできず、
わたしが助っ人になった。怒りに任せ、ものも言わずに、2時間
でやってやったさ。

社員の仕事を代わりにパートがやるのもアタマにくるが、もっと
不快だったのは、翌日Kさんがわたしに貢ぎ物をしてきたことだ。
貢ぎ物といっても、チョコレートだけどさ。そのころボーナス時期
で社員が浮かれているのは、敏感なわたしは察知してしまうので
昔の流行語じゃないけど、「感謝するなら金をくれ!」が正直な
気持ちだった。

今となってみれば、わたしはかつて、ダメ社員だったということ
をはっきりと認めることができる。
また、今となってみてわかるのは、ダメ社員にはその存在意義
があるということだ。

例えば、うま〜くパートを使って、あたかも自分がやっているように
みせかけること。
同情をそそる程度に、上司にうまく取り入ること。
そのくらいのことは、年の功と、生活の安定のため、やってみせる。

多くのダメ社員が、その高等技術で、定年まで粘るのだ。
それが多くの人の共感を得て、物語が生まれることもある。
そもそも人間勝ち組ばっかりじゃないし。

こないだ群馬の妹Bが、朝青龍のことをなんだか言っていたけど
(物言いがついて取り直しになって勝ったこと)わたしに必要だった
のは粘り腰、これだったんだね〜。

Kさんに必要なのは、年齢のせいにせず、真摯に自分の仕事に
取り組むこと。やらないでぶち切れては、人は共感しない。
だいいち、40歳くらいで年とか言うことがそもそもどうなの?

それはともかく。
平成中村座NY公演!
去年コクーンで見たのと同じ演目がNYで大好評だという
ニュースに胸が踊る。勘九郎橋之助もかっこいい!
串田さんもすごい!

去年の興奮を思い出してはにんまりしている。