お祭りはおしまい

10日はまだ東京の気分が残っていて、夫や猫のナナオ、会社のことがむしょうに気になっていたけれど、2日めにはもう、どっぷりとスクーリングにはまった。我ながら順応性あり。
そして、最終日の朝から、時々、東京がチラチラしだした。
6日間、長いようで短い。昨日は早めに5時半で終わり、6時半くらいののぞみに乗って、帰ってきた。
お祭りは終わってしまった。

21歳の若い男の子がいた。みんなに「天才」と言われていた。
絵は、油彩らしい大胆さと造形の妙があり、わたしも、かなり惹かれた。
こんな絵描いてみたい!と思った。
彼は、正座して、キャンバスを壁に立て掛け、キャンバスに身体を預けるようにして描く。煮詰まると描くのをやめて、からだを小さく丸め、小さなスケッチブックに絵日記のようなものをかくのだった。
見た目は、気が弱そうで不器用そうな優しげな青年だ。
中年かそれ以上のたいていの学生たちは、彼がかわいくてたまらない。「お母さん」役は何人もいたし、「叔父さん」のような年回りの男性たちは、自分が失敗してきた経験を話しては、彼に道筋をつけてあげようと熱弁をふるう。また、昼ごはんなどしきりにおごるのだった。

彼が同年代の通う普通の大学生だったら、そんな扱いはナシでしょう。こういう体験が、彼にどのような影響を及ぼすのか、少しだけ心配になった。

話は変わるが、K先生によれば、1年を終わって退学する人が約半分、2年でそのまた半分がやめるとか。3年目の「自分のテーマを探る」のが目的の今回のスクーリングまでたどり着くと、まずやめる人はいないそうだ。
そんなふうに残った学生は、先生方も、もう顔と名前が一致してくると言う。

4日め、ドローイングを経て油彩に入るとき、先生は、花をテーマに自由に描いてと注文された作家の気持ちで描くように、と仰った。
そんな扱いが嬉しかったな〜。わたしはいい気分でぐいぐいと描きました。

実は最終日、粘ってあちこち変えてしまったら、「昨日はヌケ感があったのに、今日の仕事でそれがなくなっちゃったね」と先生。
粘ったのが無駄に?!
く〜!