働きたくて仕方ない

先月後半、母が自力で歩けるようになってきた。
たまっていた肺の水はなくなり(!)血液の数値もまずます
になった。2週に一度通院している病院の主治医の先生は
スタスタ歩く母に「あらあら」と目を丸くしていた。

ケアマネさんやヘルパーさんは、今は落ち着いているけれど、
病気は進行しているのだから、この時期こそ大切にしてほしい、
と言う。
母の残存能力を活かしつつプロの手を徹底して借りる、家族は
できるだけ普通の生活をする、ということだ。
「仕事を辞めるなんてもってのほかです!」と言われてしまった。

それで、いろいろ試行錯誤の末、デイサービスを週に3〜4回
入れ、毎日朝の8時から1時間ヘルパーさんに入ってもらうこと
にした。迎えの時やデイサービスがない日は妹が行き、わたしは
週末泊まりに行くだけでいいようになった。

そんなわけで、こうなると今度は働きたくて仕方ない。
会社に確認したところ、そうは言っても介護休暇はきっちり
3ヶ月で申請してしまっているから、それを変更することは
できないとのこと。

そこで、以前から興味のあったエキストラをしよう!と
思い立った。
思い立つと早いのが、良くも悪くもわたしの性格だ。
ネットで調べたとあるプロダクションに申し込み、面接に行き
合格ということになり、そして昨日、写真撮影、ということに
なった。

担当のKさん(元気で早口な女性。わたしと同じ年くらい)と
話しをしたあと、早速メイク&撮影だ。
カメラマンさんは、40〜50代のやさしげな男性。
なにか練れた感じの人だ。メイクの女性は30代くらい。
「化粧映えがしますね」という言葉は褒め言葉かにゃ?微妙。

わたしの番が来るのを待ちながら、周囲を観察。
小さなマンションのワンフロアをこまめに仕切って、受付から
面接コーナー、スタジオ、メークコーナー、そして奥に営業の人
たち?のデスクが並んでいて、結構な人数がぎっしり働いている
のがおもしろかった。

写真撮影も、わたしの前に若い女性、あとに若い男の子。その次
に赤ちゃんが待機していて、騙されるかも?みたいな不安は
なくなった。

撮影は、特に緊張することもなく、楽しく終了。
カメラマンさんは、「自然な笑顔が出てよかったですよ、この
仕事には大切なことです」とのこと。中にはガチガチになって
顔が引きつる人もいるそうだ。

帰りはいい気分で新宿御苑を散歩。いちょうなどの紅葉が美しい。
ここには巨木もたくさんある。好きな場所だ。
遠くから、サッカーの応援歌が聞こえてきた。そういえばここは
国立競技場が近いっけ。そうだきょうはボカが登場するんだった。

ヒマだから、テレビばかり見ている。朝の「ちりとてちん」は
お気に入りだし「クイズ・ヘキサゴン」「ネプ・リーグ」も
はずせない。今は午後「京都迷宮案内」が見逃せない。
最近放映した関口知宏の鉄道シリーズは、ギリシャ・トルコ以外
は全部見た。
この人のモノの感じ方がわたしはとても好きなのだ。

大学の課題では、「地域学基礎」の第二課題を何ヶ月もひきずって
いたけれど、先日、ようやく提出した。安中のキリスト教会を
巡る話しを書いた。それをきっかけに、長らく会っていなかった
牧師先生をいきなり訪ねて、しばらくおしゃべりした日もあった。

卒業制作申請も一応出した。来年度、母のことがありながら
卒制に突入できるのかわからないけれど、この流れに身を任せる
のが自然な気がしている。

思いがけず訪れた自由時間、つくづく不思議だなと思う。
今日は、午前中、取り憑かれたように鍋を磨いた。